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真っ暗な夜の中、灯りの覗く部屋がひとつ。
その部屋の窓かに映る人影がふたつ。
12月25日。
俗に言うクリスマス、太公望は普賢の部屋に遊びに来ていた。
本当はイヴに会う予定だったのだが、崑崙山最高幹部パーティーに呼ばれてしまい、立場上断るわけにもいかず。
実際の所、イヴに会うのはあまりにお約束だな、と言う双方の考えで回避されたのだけれど。
そして。
普賢お手製の夕飯も何事も無く食べ終わり、食後のゲームにも飽きてしまい、今は言うと何故か思い出話に花を咲かせている。
「っくしゅ。」
会話の合間、太公望が身を震わせてくしゃみをした。
「大丈夫?寒い?」
立ち上がって、思い出話の間放っておいたせいで薪の少なくなってしまった暖炉に薪をくべる。
「膝掛けとか持ってこようか?」
「いや、平気だよ。少し鼻がくすぐったかっただけだ。」
なら良いけど、とそれでも心配そうな様子で普賢は元の位置に座り直そうとした。
でも、そこで湯気の立たなくなった太公望のカップが目に入り、また立ち上がる。
「普賢?」
自分の前で座ったり立ったりする普賢を見て、太公望は不思議そうな顔をした。
「冷めちゃったみたいだし、入れ直してくるね。」
そんな太公望に笑い掛けて、普賢はカウンターへ向かった。
普賢がお茶を入れ直して戻ってくると、太公望は熱心に窓の外を見つめていた。
「なに見てるの?」
コトリと太公望の前にカップを置いて、今度こそ自分の席に座る。
「何をと言うか・・・寒くなったと思ってのう。」
「ああ、雪が降るかもね。」
自分の前に置かれたコップを持ち上げながら、歯切れの悪い返事を太公望が返した。
「んー、雪か・・・」
逆に普賢は、今まで手に持っていた自分のカップを机に置く。
「雪が嫌いなの?」
「雪なんか降ったら寒いではないか。」
即答に、太公望の心情が表れてるなあと普賢は思わず笑いを漏らす。
「雪は降った方が降らないより温かいんだよ。それに、寒かったら僕が温めてあげるけど?」
顔を赤くして、それでも負けまいと太公望がなんとか言葉を紡いだ。
「・・・雪が積もったら、会えない。」
「望ちゃんが会いに来れないなら僕がいくらでも会いに行くよ。」
「無理して会いに来て、風邪でも引かれたら冗談じゃない。」
言いながら、遠慮がちにカップを置く。
「それでも駄目なら・・・」
カップから離れた太公望の手をすくい取って、軽く握る。
「春になるまで、ここに居れば良いよ。」
暗い窓の外、白い雪が舞い降り始めた事を、まだふたりは気付かない。
end
色々と苦しい小説ですナ。
ラブラブを目指したはずなんですが。。。あれ。
しばらく、ほわわな小説は書きません。
管理人ブルーにつき。
最後まで読んでくださって有り難うでした。
色葉。
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