がしゃーんっ!

「たっ、太公望さん!それお砂糖じゃないですよ?!」

ばたばたとダイニングを走り回る音が響く。
それに続いて、台所には有り得ないはずの音も絶えない。



さあ、食え!



「それはレンジに入れたら・・・う、わっ!」

「ぬおお!?」

レンジの中から何かが破裂するような音。
立ちこめる煙。
身をすくめて耳を塞ぐ人影2人。
かつて、これだけの大乱闘を台所で繰り広げた例があるだろうか。
否、ないだろう。
それくらい有り得ない光景を将は今目の当たりにしていた。
それでも、好きなあの人にチョコレートを渡すまで、将と太公望の作業が途絶えることはない。
ひょっとしたら死ぬかも知れない・・・そんな予感も途絶えなかったのだが。






「・・・出来た、のか・・・?」

お菓子作りが初めてでも、いつもそれなりに家事をこなしている将のこと。
上出来とは言えないが、それでも並より上に出来た。
問題はもう一人、太公望である。

「・・・えー、と。」

太公望の出来は凄まじく、もはやチョコレートと分別するのが申し訳ないくらいで。
流石の将も、言葉に詰まってしまった。

「・・・。」

「・・・。」

目の前のチョコレート(らしきもの)を見つめる太公望と、その太公望を見つめる将。
さっきまでの騒がしさが嘘のような、どうしようもない沈黙が流れていた。

「ま、死にはしないだろう。」

将は頷きづらいものを感じたが、本人がそう言うのだからそれに従うことにして、ぎこちないながらも笑顔を向ける。

「そう、ですねっ!」

「・・・うむ!」

太公望の笑顔も少なからず引きつっていたのだが、おいといて。






「ただいまー。」

「あー寒いっ。」

翼と普賢が家に入る為にドアを開けただけで、リビングまで冷たい風がはしった。

「お帰りなさい。」

「本っ当に寒そうだのう。」

ソファから立ち上がって出迎えに行く。
もちろん、手にはきちんと包装された包みを持って。






ホイッスル的ラスト(翼将)。

「あの、これ、作ったんですけど・・・」

「へえ、食べれるの?」

とまどうように差し出すと、コートを脱ぎながら視線だけが向けられて。

「・・・酷いですよ、翼さん・・・」

拗ねたように睨むと、抱き寄せられて軽くキス。

「冗談。貰ってとくよ。」






封神的ラスト(普太)。

「望ちゃん?どしたの?」

「・・・この腐れ野郎。」

わざとらしく問いかけると、赤い顔で包みを投げ付けてきた。
それを片手で受け取って、もう一方の手で去って行こうとする太公望を引き寄せる。

「どこ行くの?」

「・・・残したら許さぬ!」






愛が有れば、ね?(おまけ。)

普「・・・・・・(顔面蒼白)。」

翼「あれを全部食ったわけ?(普賢の背中をさすっている)」

普「去年より見た目はマシだったんだけどね・・・」

翼「・・・(合掌)。」






Happy valentine !

読みにくいー。御免なさい。ラブラブvを目指したんですが無理でした。普賢さんと翼さんと将と望ちゃんは一緒の家に住んでるんですね。んな阿呆な設定があるでしょうか。御免なさい・・・

最後まで読んでくださって有り難う御座いました。
雛谷色葉。