+リベンジ+


「・・・うまい。」
「え、本当!?良かった〜〜」

郭くんが家に来て、僕が作った食事を食べている。
口に合うか不安だったけど、大丈夫だったみたいで良かった。

「本当にうまいよ。料理得意なんだな。」

そう言って郭くんはにこっと笑った。
僕はほめられたことと、その笑顔に僕は嬉しくもあったけど恥ずかしくなってしまった。

「あ、ありがと・・・」

つい小さくなってしまった声に、郭くんがくすっと笑った。
それで更に恥ずかしくなってしまって、僕は俯いてしまった。

「どうしたの?そんなに真っ赤になって。」

ものすごく楽しそうな声で郭くんはそう聞いてくる。

(絶対わかってる・・・意地悪・・・)

僕が恨めしそうに上目遣いで睨むと、けらけらと郭くんは笑いだした。

「あはは、そんなに睨むなって。そんなに恥ずかしがらなくても良いのに。」

僕は笑っている郭くんに少しむっとする。

「郭くんの意地悪っ!僕だって好きな人の前じゃ恥ずかしく・・・・」

言った後、はっとしてしまった。

(僕、今なんかすごいこと言った?)

後悔したってもう重要なことは口走ってしまった後で。
おそるおそる郭くんの方を見てみると、滅多に見せないような綺麗な微笑みを浮かべていた。
そしてテーブルの横を通って僕のところに来た。

「好きな人の前じゃ・・・何?」
「〜〜〜〜〜〜〜っっっ」

僕が何も言えなくなって郭くんから離れようとしたら、後ろから抱き込まれた。

「はっ、離し・・・・っっ!!」
「・・・将。」

突然下の名前を呼ばれて、僕の動きはぴたっと止まる。
あまり郭くんは僕の下の名前を呼ばないから、呼ばれるとつい反応してしまう。

「続き、言ってくれるよね?」

後ろから抱きしめられているので表情は見えないんだけど、耳に直接かけられる言葉はいつもの郭くんとは違う少し低めの声で紡がれる。
その甘い響きに、僕はつい言うことを聞いてしまう。

「・・・・恥ずかしくなる・・・好きな人の、前じゃ・・・」
「どうして?」
「・・・格好良いんだもん・・・英士が・・・」

僕がそう言うと、郭くんは僕のことを更に強く抱きしめてきた。
相変わらず表情は見えないんだけど、僕はなぜか嬉しそうにしてるのがわかって。

「・・・嬉しいよ、将・・・」

そう言ってくる郭くんの腕に、僕も手を添えた。



「・・・これじゃ逆だな。」

しばらく郭くんに抱きしめられたままになっていたら、不意に郭くんがぽつりと言った。

「え?」

僕には当然意味がわからなくて、郭くんに聞き返す。

「さっきのスーパーで散々将には真っ赤にさせられたからな。今度は俺がお前を真っ赤にしてやろうと思ったんだけど。」

また俺が真っ赤になっちゃったよ、と言って僕の肩に顔をうずめた。
僕はどうしても郭くんの顔が見たくなってしまい、無理に身体を捻った。と。

「うあ!?」
「将!?」

・・・・バランスを崩して、思いっきり郭くんを下敷きにしてしまった。

「あ、ご、ごめんね、郭くん!大丈夫?本当にドジでごめん〜〜〜・・・」

僕は慌てて郭くんの腕から離れて顔を覗き込んだ。
まだ痛そうに顔を顰めている郭くんに、本当に申し訳なくなる。
郭くんが目を開けると、何故かにこっと笑った。

「そんな顔しないで。俺は大丈夫だよ?」

そう言って優しく僕の右頬を撫でる。
あまりに優しかったので、僕はついその温もりに目を閉じてしまった。
だけど不思議なことにふと気づく。
それは、僕と郭くんの位置がいつもと逆だということ。

(郭くんを上から見るなんて、初めて・・・)

しばらく二人で何も言わず見つめ合う。
優しい目をしている郭くんに、引き寄せられるように自分から郭くんの唇にキスを落とした。
そしてゆっくりと離れて、目を開ける。

「・・・・あ。」

はっと我に返って、慌てて郭くんの上から飛び退こうとした・・・が。
不意に腕を捕まれてそのまま下に引っ張られた。

「・・・ほんと、逆だよ・・・」

郭くんに再び抱き込まれながらその言葉を聞いて、僕はなんだかおかしくなってくすくすと笑ってしまった。


結局僕と郭くんはそのままの状態でいたので、昼食は冷めてしまった。
作り直すよって言ったんだけど、郭くんは将とこのままでいる方が良いと言って離してくれなかった。





+end+




管理人の雰囲気をぶち壊すコメント。

月水綺紗羅さまから頂きました、3333HIT小説ですvvvこれは綺紗羅さんのページの『紅茶』とゆう連載小説の中のひとつなのです。綺紗羅さんのページにはリンクからも行けますので、ぜひぜひ見に行ってみて下さいvvv

綺紗羅さん、本当に有り難う御座いました。